2023.12.15

COLUMN

子犬をお迎えしたら

子犬をお迎えしたら、まずは環境の変化に慣れさせましょう。
子犬のうちは割とすぐ環境変化に順応しますが、やはり多少なりともストレスはかかります。
あまり構いすぎず、適度に遊んであげて、眠っていれば邪魔しないようにしましょう。
ハウスやケージを用意して本人が落ち着ける環境を用意してあげたほうが良いですね。
また環境が変わって体調を崩してしまうこともあります。
以下の項目を基本にチェックしてあげてください。

  • 元気はあるか?
  • 食事はしっかり食べているか?お水は飲んでいるか?
  • 下痢をしたり吐いてしまったりしてないか?
  • どこか痒がったり、脱毛したりしていないか?

気になる項目があれば、早めに動物病院にご相談ください。

目次

動物病院で行うこと
・予防
・検査
・避妊去勢

自宅で行うこと
・社会化
・しつけ
・歯磨き

動物病院へ

さて、お迎えしてからの1年(特に6カ月齢まで)は、やることてんこ盛りです。
予防や検査などはもちろん、体調チェックも兼ねて早めに受診しましょう。

予防

  • 狂犬病予防注射
  • 混合ワクチン
  • フィラリア予防
  • ノミダニ予防

これらの予防については当院のHPの予防医療に詳細があるので参考にしてください。
ミオどうぶつ病院大宮:予防医療

検査

  • 糞便検査

寄生虫などの感染を確認するために行います。
最初のうちに寄生虫がいないかどうかの確認のために行っておくと安心です。
糞便検査の検出率は60%ほどとあまり高くはないので、日にちをずらして2,3回の糞便検査をおすすめします。
便のみの持参でも行えますので、排便してから2,3時間以内の便をお持ちください。

避妊去勢

生後半年をすぎたあたりで避妊去勢を行います。

避妊去勢についても当院のHPで詳しく説明していますので参考にしてください。
ミオどうぶつ病院大宮:避妊・去勢

自宅で行うこと

自宅で行うことは特に根気がいることばかりです。
可愛い子に癒されながら、時には悪魔のようないたずらに耐えながら、根気よくお利巧に育てましょう。

社会化

子犬の3-4カ月齢は社会化の時期といって、いろいろと学習していく時期です。
人間で言えば幼稚園~小学校低学年くらいの時期だと思ってください。
この時期にたくさんの物事やひとと触れ合い、楽しいことを数多く経験させていくとよいと思います。
逆にこの時期に家の中だけで過ごしてしまうと、外が怖くなったり、家の人以外を怖がるようになったりします。
おやつやおもちゃなどを適切に使って外に慣れさせ、他のひととの関わりを教えていきましょう

獣医師によって見解は分かれますが、わたしはワクチン完了前でもお散歩などもして良いと思います。
むしろお散歩を推奨してます。
ただし、不特定多数のわんちゃんが集まるところには行かないようにしてもらっています。
これは無症状でも病気を持っているわんちゃんがいる可能性があるからです。

お散歩の途中で他の人から、おやつもらったり撫ででもらうなど楽しいことを経験させると、人を好きになるので良いと思います。
その際は、食べ慣れないものを与えないように&あげすぎないように、自宅からその日のおやつを持っていくと良いでしょう。

しつけ

子犬のうちは、しつけなどの学習行動もしやすい時期です。
具体的には2ヶ月齢くらいから少しずつ、しつけを意識してみましょう。
最初はトイレトレーニングから、徐々にコマンド(お座り、待て、お手など)を取り入れてみてもいいと思います。
コマンドは、飼い主とのコミュニケーションであり、出来ることを増やし褒めることで達成感を持たせて、人生(犬生?)を豊かにしてくれます。
少しでもできるようならすかさず褒めましょう。
おやつなどを与えてもOKです。
出来るようになってきたら、徐々に完璧にできることを目指したりしましょう。

しつけ教室などもお勧めです。
しつけ教室は飼い主と一緒に参加して褒め方が学べるタイプのものが一番良いです。
飼い主が上手に褒められるかどうかがしつけのキモですので。

おやつについて

むやみにおやつを与えない
ただ単に与えるのではなく、”ご褒美”として与える
基本はトレーニングが成功したとき
こちらのコマンドにしたがったとき
覚える段階の時は完璧にできていなくても褒めて、おやつを与えてもよい
1回に与えるおやつは小さく、そのかわりたくさん褒める
出来るようになったら徐々に完成度を高めていく

歯磨きトレーニング

最初は口のまわりを触ったり、唇をめくって口の中を見るところから始めましょう。
口の中を見させてくれるようになったら、手で歯に触ってみる。
→歯に触れるようになったら、歯ブラシなどを当てていく。
→当てられるようになったら、磨いてみる。

それぞれのステップで出来たら必ず褒めましょう。おやつなどを与えてもOK!
嫌がってしまったらやめてしまってよいですが、その時はおやつは与えません。
すぐ嫌がってしまう子は少しでも出来た時点ですぐ褒めておやつにする、おやつを与えながら歯を触る訓練をするなどの工夫をしてみましょう。
歯磨きの際に動物用のデンタルジェルや歯磨き粉を使うと、美味しいのでやらせてくれることもあります。

当院では、歯磨き指導やお預かりでの歯磨きなどもしておりますので、ご相談ください。
自宅で歯磨きをして、病院での歯磨きで歯石・歯垢の状態をチェックし、また自宅の歯磨きを改善していく・・・のサイクルが有効だと思います。
自宅で歯磨きが出来るように一緒に頑張りましょう。

今回のまとめ

かわいいだけでなく、やるべきこと、教えなければならないことが多いのはわんちゃんも人間も同じですね。
縁あって一緒に暮らすことになった子犬が犬生をまっとうするまで健康で幸せに過ごせるように、しっかり育ててあげましょう。
当院は、飼い主様とわんちゃんとの楽しい生活を応援しています。